Literary Machine Nº9

文学と音楽、ロンドンの陸地で溺れる税理士

ネイティブの英語が聴き取れません(2022年の抱負)

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かつては毎年目を輝かせながら目標を練り上げていた僕も、この歳にもなると新年の目標について卑屈にもなってくる。 2021年は生きてイギリスにやってきて、餓死せずに生き延びた。それだけで充分なのだ。事実、神経を多少病んだが、肉体は一応支障なさそうに見える。 渡英当初には英国内のコロナも落ち着いてきていたから、周囲も「好いタイミングで来たね」と言ってくれた。しかし、気がつけば過去最高記録を突破するサイクロンに巻き込まれた。オミクロンの神輿に担がれてワッショイワッショイ突き上げを喰らいながら、ダージリンを日々すすっている。

2021年に自分を甘やかしたのは、当初英国での理想の自分と現実のギャップに苦しんだ挙げ句、「海外で暮らしているだけ天才」と思うことにしたからだ。そうしてハードルを地面すれすれまで下げたおかげで精神衛生が保たれた。2022年は本気出す。今回は英語の抱負。

英語 – リスニング

さて、とにかくリスニング力が足りない。これはどれだけ強調しても足りない。IELTSでL7.0しかないので本当に苦労する。気分を害してしまったら申し訳ないが、本当に7.0でもまだ危険水域に肩まで浸かっている。日常会話を含めたコミュニケーションが非常に難しい。もちろん1対1では喰らいついたり聞きかえすことができても、ネイティブ同士が私の許可を得ずに勝手に話を始めると、ふわふわと居場所が溶けてなくなっていく。アァ、アァ……。特に友人や家族同士など砕けた雑談の場になると、諸事情により理解できる割合が1-2割くらいまで低下する。

もちろん持ち合わせのコミュニケーション能力が高い人ならこちらからのスピーキングである程度カバーはできようが、そんなもの持ってませんアタシ。この耳は赤子並みと痛感する。いや赤子のほうがよほど優れた耳を持っている。なお、英検1級のリスニング教材はほとんど正解できるし、ニュースなどは集中すればだいたい意味は取れる。しかし、現実世界の水準はまるで異なる。サイバイマンを倒せてもナッパやベジータには敵わないというあの絶望感。

何よりも聞き返したときの「なんで聴き取れないんだよ」というしかめ面は悪夢。

1. 目標

とはいえ、いくら嘆いても英語は聴こえてはこないので、重点的なリスニング対策を以下の二本立てにてやります。また、聴き取れない部分をちゃんと潰すということを今までは面倒くさがってやっていなかったので、やるぞ。

  • 初見で英語字幕禁止プレイ(Youtube/映画/ドラマ)
    まず初見で50%くらいは聴き取れる動画を字幕なしで観て、二回目は字幕ありで観て、最後に字幕なしで観るというもの。ただし、映画やドラマは長いので繰り返すことはさておき、まずは字幕なしで楽しむことを優先する。

  • 変換マッスル鍛え上げ
    こちらはある程度聴き取れるものを使って、音声情報を意味に変換して内容を理解する速度を上げる練習。Audiobookだけで本を読めるようになりたい。

2. 英語が聴き取れない理由

また、前提として英語が聞こえない理由と対策を自分流にざっくり整理してみた。仮説的なので違っていたら修正していきたい。

  • 音声学的ルール: リダクションやリエゾンといったルールによって音声が変化したときに認識できない。例えば、What do youがWhaddya になるというようなもの。
    –出会う都度叩き込むだけなので単純。

  • 認識できない語彙: 音声からその単語を認識できないか、その単語自体を知らない。スラングや方言なども含む。
    –語彙を増やすとともに、実際の音声で出会うことにより音声と単語を繋げていく。

  • 不慣れなアクセントや不明瞭な発音: 標準的な発音からの乖離によって認識できなくなる。現実の会話では不明瞭な音声も多い。
    –周囲にアクセントの強い人がいないのでアクセントは後回し。不明瞭な音声は対策法が分からないが、明瞭でも聴き取れていないのでそちらを優先。マンブリングは、、、そいつが悪い!!

  • 変換速度不足: 音声情報を意味に変換して内容を理解する速度が間に合わない。なお、日本語に変換してはいけない
    –実は遅い音声で音だけは聴き取れたとしても、充分な速度で頭の中で意味を形成できていないことに最近気がついた。Audiobookのような遅めの朗読で音声だけで内容を理解しようとしてもすぐに心が折れて上の空になってしまう。これは英語に限らず聴覚のみでの意味理解力が低いことが原因なのかもしれないが、それにしても英語でのこの能力が低すぎるのでどうにかしたい。これは字幕やスクリプトを見ずにほとんど聴き取れる音声や動画をたくさん聴いたり見たりしてみる。

  • 予備知識の不足: 話者間で共有されている文化や話題の前提知識が欠けている。
    –仕方がない。時間をかけて少しずつ吸収していくしかないし、自分が知らない話題だったら日本語だって「それどんな人の話?」と訊くわけだから、当然だ。問題はやはり、それを訊いたところで聴き取れないことのほうだ。

  • 映画・ドラマ:
    –ネイティブの通常の会話と映画・ドラマとで何が違うかは正直謎。ネイティブの英語が全く問題なく聴き取れても映画・ドラマが全然聴き取れない人がいるらしいので、映画・ドラマのほうが難易度は高いのかもしれない。