Literary Machine Nº9

文学と音楽、ロンドンの陸地で溺れる税理士

ACCA: Business and Technology(BT)の勉強方法と勉強時間

日本人でACCAを受験している人はひよこ鑑定士よりも貴重な存在らしいです、ろきんです。

今回は、5/22に受験したBT(Business and Technology)という科目の概要と、私が行った勉強方法・勉強時間についてご紹介します。

過去記事はこちら

1. BTの概要

公式のBT紹介ページにシラバスや合格率など情報が集約されています。勉強開始時にはこちらを眺めると良いです。勉強が進んでからもPractice tets(有料)やSpecimen exams(無料)などここからアクセスできます。
Business and Technology (BT) | ACCA Global

1.1 シラバスの目的

To introduce knowledge and understanding of the business and its environment and the influence this has on how organisations are structured and on the role of the accounting and other key business functions in contributing to the efficient, effective and ethical management and development of an organisation and its people and their interaction with technology, data and information systems.*1

ビジネスとその環境、そしてそれが組織の構造や、組織とその人材の効率的、効果的、倫理的な管理と開発、およびテクノロジー、データ、情報システムとの相互作用に貢献する会計およびその他の主要なビジネス機能の役割に与える影響についての知識と理解を習得する。(by DeepL)

要は、ビジネスとテクノロジーってことですよ。

ビジネス環境が関連する項目として、初歩のマクロ・ミクロ経済学や倫理、データセキュリティ、ITシステム、CSRSWOT分析バリューチェーン、みたいな話が幅広く出てきます。

他にはビジネス組織内のテーマとして、リーダーシップやマネジメント、チームの話あたりが出てくるんですが、個人的に興味深く勉強できました。

基礎教養としての位置付けですね。

1.2 合格率

見ての通り合格率は85%程度で、まごうことなきACCAの13科目中最弱キャラです。

f:id:Shivalak:20210523185645p:plain *2

1.3 他科目との関連

f:id:Shivalak:20210523001301p:plain *3

SBLという上級レベルの科目につながるようです。
ただ、内容的には他の科目と関係ないといわれてます。ゆえに最初にこれを受ける方が多いです。

2. 私の勉強方法

2.1 ACCA-X

以下のACCA-Xというところのオンラインコースで勉強しました。

これはACCAが公式にe-learningを提供している教材なので、講義内容は安心・信頼できると思います。モジュールとしては動画は少なめで、テキストが中心になります。

ACCA用の講義としては、Applied Knowledgeの3科目が用意されています。定価はそれぞれ$89。

  • Business and Technology (BT)
  • Management Accounting (MA)
  • Financial Accounting (FA)

中身はACCA-Xですが、プラットフォーム自体はedxというサイトを利用することとなります。PC/Macはもちろん、iOSアプリもあるのでiPadのアプリから講義を見ることもできます。公式だけあって、モジュール全体の完成度は抜群だと思います。私はブラウザのedgeの読み上げ機能を大活用していました。大量の文章を読むのに最適です。

Enrollする場合は20%OFFとなる"ACCAEARLY"というクーポンが必須ですよ。

なお、ACCAの準備レベルの講義として無料の英文会計と管理会計のコースがそれぞれ初級・中級と用意されています。会計の基礎が怪しい方はこれらを受けてみるのもいいかもしれません。 ただ、BTの場合はいきなりBTで大丈夫ですし、FAやMAを受験予定であってもわざわざこの準備レベルから開始しなくて良い気がします。時間がかかりすぎるため。その辺りは今後FAやMAを受ける際に確認してみたいと思っています。

なお、ACCA-Xには講義だけでなく、練習問題も豊富に付いてきます。インプット+アウトプットが揃っているわけです。公式だけあって、問題・解説ともにクオリティが高いので、これを繰り返しやっていれば、ACCA-Xだけで完結できるでしょう。

3.2 ACCA-Xの不満点

ACCA-Xはとてもいいモジュールで$89 * 0.8以上の価値があると思うんですが、不満点もあって、

  1. iPadのedxアプリからアクセスするとページが表示されるまでに数秒以上待たされることが多く、ストレス。 なので基本はパソコンで勉強してました。

  2. Assessment以外の練習問題は何度でも解き直せる仕様だったものの、一度回答した問題の選択肢と正否の結果表示が残ってしまい、解き直しづらい。一問ずつ「やり直す」というボタンを押せばその問題だけリセットできるけれど、ちまちますべて初期化する気になれず、問題はすべて一周しかしませんでした。BPPがあったし。でも思い返すともったいなかったかも。

  3. 本/ebookに比べて、モジュール形式だと教材を流し読みするようにおさらいしづらい。

  4. テキスト量がmassiveすぎて全部読みきるのが苦痛。これはBPPやKaplanの本であっても同じかとは思います。多少インタラクティブな形式になっているので、本のようなシンプルなテキストよりは楽しめますが……。ただ、これは上記edgeの読み上げで結構カバーできました。英語の勉強と思えれば気にならないかもしれません。なお、これの反動でFAは動画メインのOpen Tuitionを選びました。

2.3 その他の教材

上記不満点を補うために、ACCA-X以外に、BPPのテキストと問題集(ともにebook)を買ってみました。

ただ、試験直前とかに流し読みしておさらいしたりはしたので、全く無駄ではなかったのですが、ACCA-Xだけで十分でした……笑

あとはaCOWtancyというサイトも評判が良いので試してみたり。

2.4 総括

ACCA-Xを使うのであればそれだけで完結させて、あとは気になるテーマはググって理解を深めれば十分という気がしました。

なお、各所で見かけた教材の選択肢としては、Open Tuition + BPP問題集というパターンの他に、BTの場合だけはBPPのテキストと問題集の組み合わせもありという意見もありました。

3. 私の勉強時間

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ACCA-X インプット+各章練習問題: 32h
ACCA-X 総復習問題: 6h
BPP テキスト: 3.5h
BPP 問題集: 6.5h
本試験: 1h その他: 4h
合計: 53h

その他はaCOWtancyなど色んな教材を試した分です。 勉強期間は5/2に開始して、5/22に終了したのでちょうど3週間でした。

学習開始当初に感覚で50hくらいをキャップに設定してそれ以上は勉強しないように気をつけました。ACCA-Xのコース自体も公式には50hが勉強時間の想定なんですよね。

私の場合はACCA-Xでのインプットも非効率(モジュールを直線的に流していくだけで復習やまとめノートを作ったりしなかったのは失敗でした)だったので、要領の良い方はもっとさっくり行けるはず。

もちろんこれらの話は省力で合格するのを目標にしているからで、じっくり学ぶスタイルの方には当てはまりません。

4. 理想の勉強時間

一応公式には300hとありますが、非現実的すぎます。13科目で5,300hとかヤバすぎ……笑

ACCA受験界隈ってどの科目にどのくらい時間をかけたかという情報が皆無なんですよね。日本のUSCPA受験界隈だったら1,000hじゃ終わんねーよ!!みたいなのあると思うんですが。

もちろん個人差はありますけど、日本人が勉強時間を気にし過ぎなだけなんでしょうか。

*1:シラバス8.Overall aim of the syllabusより

*2:https://www.accaglobal.com/ie/en/student/exam-support-resources/fundamentals-exams-study-resources/f1.html

*3:シラバス6. Relational diagram linking Business and Technology (BT/FBT) with other examsより